年輪とは

通常温帯から寒帯の木の断面に生じる同心円状の模様で、成長輪ともいう。成長輪のうち1年に一つずつ増加するものを年輪という。輪状に見えるのは、春期には幹の肥大成長が盛んで、夏期にはゆっくりになるためであり、色の濃い部分は細胞壁が密に、色の薄い部分は細胞壁が疎になっている。熱帯降雨林では1年中生長を続けるため年輪は認められないものもあるが、乾季と雨季があれば乾季には成長が休止するために成長輪が形成される。

「日当たりのよい南側はよく生長し、北側は目が詰まっているので、切り株を見れば、方位が分かる」と言われているが、これは誤りである。たとえば針葉樹が斜面に生えている場合に、木が谷側に傾かないように谷側がより盛んに成長する為、谷側の目が広く山側の目が詰まって育つので方角はあまり関係しない。また、自然な原因で木が倒れる場合、根本からひっくり返るか、へし折れるようになる場合が多く、滑らかな面は作られないから、自然の森では年輪の見られる切り株は滅多にない。